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トピックス

[NEW]コロナ禍でも行ける?

日本では危機管理教育が行われていない

アメリカで17歳のドイツ人交換留学生が再び銃の犠牲に その②

アメリカで17歳のドイツ人交換留学生が再び銃の犠牲に その①

ニュース「NYで男子高校生が無事保護された」から その②

いつのまにか無くなっていた「高留連」と「ガイドライン」

ニュース「NYで男子高校生が無事保護された」から その①

男子留学生の性的被害に関するテレビニュースより(動画)

安全シールをペタペタ貼る「留学サービス審査機構」とは

チェック機能が働かないのは原発問題と同じだが

このたびの米国務省からの規制に米国YFUが反発している

アメリカでの交換留学生被害が社会問題化 CNNニュース(動画)

<留学支援金ひとり一律50万円支給>といわれても

知らされていない留学団体役員の高額報酬のこと

米のコミュニティサイト「CSFES」で知ることのできる被害情報

ロータリーは07年に危機管理委員会(外部有識者を含む)を設立

「日本YFU」「YFU日本協会」「YFU国際交流日本財団」からわかること

再度、大阪府教育委員会「校長会」で情報提供される

ロータリーは05年に性的虐待の情報公開をしていた

米国務省は高校交換留学生の性的虐待対策に着手していた

AFS交換留学生(米の男子高校生)の被害記事

野田大臣との対話がHPに掲載中

大阪府教育委員会「校長会」で情報提供される

野田聖子大臣と話しました

声を上げはじめた子供たちのために

「有償ボランティア家庭」は本当にボランティアなの?

「高留連」に自浄作用はあるのか?

高留連会員団体WYSが3月11日に退会処分

2021/08/31

コロナ禍でも行ける?

 エージェントの謳い文句である「コロナ禍でも行ける!」 一見すると今の閉塞感を吹き飛ばすような明るいキャッチコピーですよね。 しかし、文部科学省の「留学中・留学予定の日本人学生の皆さんへ(2021年7月12日更新)」(*2) を見る限り私にはとうてい理解できません。

 文科省初等中等科の留学プログラム「トビタテ!留学JAPAN」(*1)の担当者の話では、 全世界的に新型コロナウィルスの感染レベルが高い状況から子供の安全確保は難しいと判断し、 昨年に続き今年度の人たちも出発できていない。2022年度以降についても、このプログラム自体を継続するかどうかさえも未定で、 現行ではこのプログラム自体がいったん終了の方向であること、 感染症が収束したした時点で新たなプログラムを構築するかどうかも決まっていないそうです。 一方、奨学金が付かなくてもエージェントを使ってでも行きたい人たちについては いろんな考えの人たちがいるということで、文科省としては止めることはできない、あくまでも自己責任で!とのことでした。

 子供の留学トラブルに対し適当にやり過ごしてきた文科省でさえも、 今回のコロナ禍では生命・健康の安全確保最優先の観点から留学を止めているのです。 「コロナ禍だからこそ、ご希望や状況にあわせて一人ひとりに最適な提案ができる」 「各国大使館や公的機関、海外の教育機関などと密に連絡を取り常に正確な情報を入手しながら安全な留学を提供」 「調査によると海外留学を希望している学生の6割以上がコロナ禍でも留学を行いたいと意欲的だった」などの 情報で溢れかえっています。 コロナ禍の閉塞感から視野が狭くなると、無責任な情報に煽られ、踊らされ、 今まで以上に間違った価値観がまかり通る社会になりそうです。 常に危機意識を持って子どもを守りましょう。

(*1)トビタテ!留学JAPANについて
文部科学省が2013年10月より開始した奨学金付き留学促進キャンペーンで、 「官民協働海外留学支援制度~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」が2014年からスタートしている。

(*2)留学中・留学予定の日本人学生の皆さんへ

2019/09/01

日本では危機管理教育が行なわれていない

海外における危機管理教育が日本では全く行なわれていません。

東洋経済オンライン:「留学先で「性被害」?危機を招いた意外な原因」

 高校生の交換留学でも、現地に夜間到着した際にスタッフの迎えが一時間以上遅れる、来るはずの迎えの人がこない場合があります。 空港から滞在先への移動途中、公共交通機関であるバスや電車内で怖い思いをした話を良く聞きます。 知らない土地で夜間だと不安を覚えるだけでなく、窃盗や性被害、暴力事件のリスクも高まります。

 以前ルーマニアで、二十歳の日本人女子学生が夜間到着後に殺害されるという痛ましい事件(*)がありました。 ルーマニアの地元メディアは殺害方法の残虐性から検死結果を付してまで連日大きく取り上げ、 オランダにあるAISEC本部とAISECブカレストも、事件発覚後ただちにHPで被害者への哀悼の意と責任を認めるコメントを出しています。 それなのに日本AISECは事件発覚と同時にHPはなぜか繋がらない状態で、会見も開かずマスコミからの取材に対してもいっさいノーコメントでした。 3日後にようやく公式サイトに「ご遺族のご意向を踏まえ、本件に関して一切の説明を差し控えさせて頂きます」 とのコメントを掲載したものの、謝罪も被害者への哀悼の言葉すらありませんでした。 このプログラムを実施したアイセック日本の不可解な態度に対する日本のメディアの対応についても酷かった印象があります。 おそらくは、あまりにも悲惨な事件であったため、娘の名誉を守るためにも騒ぎ立てたくないというご遺族の意向に、日本AISEC側の利害が一致したのだと思われます。

 しかし、運営は大学生に任されているとはいえ、日本AISECがNPO法人として組織運営している限り社会への説明責任はあったはずです。 普通の旅行会社であれば、社長や役員が出てきて謝罪会見があるはずなのに、 政治家、経団連、有名大学の教授、多くの著名人がバックについている巨大組織だからでしょうか、 今日まで、渡航をアレンジした日本AISECに対するメディアからの追求は見事になく、警告、再発防止の機会も失われたままなのです。 結果、危機意識のないお嬢さんが見知らぬ男について行き被害に遭ったという、 被害者への配慮の無い報道のままで終わっているのです。

 被害者のその場の状況は本人にしかわからないのです。 ご遺族の方々の思いも考えると、できるだけ被害者に近い目線でものを考えていかなければならないのに、 事件発生後からの日本AISEC側の対応からは、一歩間違えば自分も同じような目に遭っていたかもしれないという誠実なものの考え方が感じられませんでした。 被害に遭ったのは20歳の大学生でしたが、調べれば調べるほど、事件の背景には高校生の留学被害と同様の根本的な問題があります。 このような海外インターンシップの場合、NPOとは名ばかりで、運営そのものは留学斡旋団体と似た組織構造です。 団体は手数料を取ってインターン先を紹介し、現地までの手配を行います。 「就活に有利」等のふれこみで、現地の状況も知らない責任感のない学生スタッフが競って未熟な学生を送り込んでいるのです。

 じつはこの時、隣国ウクライナ在住だった知人からは、プログラムを組んだ日本の団体も当然責任を取るべきだと聞かされました。 夜に若い外国人女性が一人で行動するのは相当危険な行為であること、残酷な殺人・暴行事件が度々起こっており、 男性で気をつけていても、夜道で若者数名に羽交い絞めにされお金を奪われたり、 何度も泥棒にも入られたりしたそうです。それにしても、彼女や彼女の家族の方たちには、 夜到着というスケジュールだけは飲まないでほしかった。 それでも団体が強要してきたのなら止めるべきだったと悔やまれてならないのですが、 今回の事件が起こるまでは、このように送り出すことも多かったはずです。 たとえ治安がいいと言われる国であっても、夜間の外出や一人歩きは避けるくらいの危機意識が重要です。

(*)益野友利香さん殺害事件について

邦人女子大学生が殺害される

2015/05/28

4月にアメリカで17歳の交換留学生が再び銃の犠牲に その②

 米国モンタナ州ミズーラで去年4月、民家の車庫に侵入したドイツ人留学生が住人の男に射殺された事件で、 裁判所はKaarma被告に対し禁錮70年の判決を(少なくとも20年は仮釈放も認めないという)言い渡しました。 今回の裁判では、被告の行為が正当防衛に当たるか否かが争点になっていましたが、 被告が4発も発射しているなどの理由から正当防衛は認められませんでした。 ロイター通信などによると弁護側は上告する方針のようです。

 この結果を受け、ネット上では多くのコメントが寄せられています。 そのなかには「窃盗犯を殺したにしては罪が重すぎる」 「日本人が撃たれても無罪なのに白人だと有罪になるのか(米ルイジアナ州での服部剛丈君の銃殺事件を指していると思われる)」のような意見も見ることができます。

「ドイツ人男子生徒射殺事件」ABCニュースより

2014/12/26

4月にアメリカで17歳の交換留学生が再び銃の犠牲に その①

 2014年4月27日に米国モンタナ州ミズーラの田舎町で、 ドイツ人の交換留学生Diren Dede君(17)がもう一人の留学生と散歩中に民家のガレージに侵入し、 家主のMarkus Kaarmaに銃殺される事件が発生しています。 殺人罪で起訴されたKaarma被告は正当防衛を主張しており現在は保釈中で、裁判は2015年1月に行われる予定です。(注1)

 交換留学生が銃の犠牲になったといえば、やはり1992年に米国ルイジアナ州バトンルージュで、 日本人留学生の服部剛丈君が訪問する家を間違ったために家主に射殺された事件が思い出されます。(注2) そして今回の出来事も、普段は静かなアメリカの田舎町で夜間に二人で出かけて事件が起きており、 またしても悲劇が繰り返されてしまったのです。

 さて、この事件は1992年の事件の教訓を生かすことができているのだろうかという疑問を投げかけます。 答えは、「ノー」と言わざるを得ません。 留学生が銃社会における安全確保の仕方を学び、アメリカの銃文化を考える上で布石となるべき服部君の事件でしたが、 ここでは、事件の「教訓を生かす」とは具体的にはどういうことなのかを、私なりに考えてみたいと思います。

 服部君の事件の教訓を十分に生かすことができていない理由は、 このような事件を考える際に、誰あるいは何が悪かったのかに終始するあまり、 留学生の不注意や過失を指摘する意見と、アメリカの銃社会への非難という、 これら二つの支配的な見方にとどまってしまうからではないでしょうか。 今回の事件に関する海外でのコメントでも(このニュースは日本ではスルーされている)、 ドイツ人留学生の不注意を指摘するものと、アメリカの銃社会を非難するものとの、 大きくふたつに分かれています。(その他Castle Doctrineや正当防衛についても書かれていますが) 事件がどのような過程で起こったのかを知ることはもちろん必要ですが、 事件発生時の留学生の行動にばかり注目していては、 高校生の交換留学が教育提供プログラムであり、その教育過程の中で留学生の命を守ることができなかったという、 プログラムの構造的な問題に目を向けることはできません。

 私のサイトでは、留学斡旋団体が留学に伴う被害や危険性を十分に留学生に伝えていないことを指摘してきました。 しかし、これまで服部君の事件に直接言及しなかったのは、 一方で、銃社会における安全確保の重要性を留学団体側が留学生にしっかりと教育してこなかったのではないかという指摘をすると、 アメリカの銃文化に対して問題意識を持てなくなり、 他方で、留学生が射殺されるという悲劇を引き起こした原因をアメリカの銃文化だけに求めると、 渡航先での安全確保に必要な最低限の事前教育や渡航中のケアが十分ではないという問題に向き合うことが難しくなるからです。 (事件当時、服部君と行動を共にしていたアメリカ人ホストブラザーは危険を察知して身を伏せている)

 例えば、服部君の事件がその後のアメリカの銃規制運動へと発展していった過程で、 銃規制にスポットライトが当たり、実際に服部君を派遣した留学団体や留学プログラムに対して目が向けられることはありませんでした。 2012年に開催されたイベント『服部君事件から20年~銃社会アメリカのいま』についても、 留学団体AFSがHP上で掲載してはいるものの、アメリカから銃をなくそうというメッセージだけに焦点が当てられ、 そこからは生徒を海外に送り出す側としての反省や悲劇を繰り返さないための 留学生の安全確保という教育的な意図を窺い知ることはできませんでした

 とくに服部君の事件や今回の事件を一般的な射殺事件として捉えるだけでは不十分なのは、 高校生の交換留学における射殺事件は、銃社会が生み出した悲劇であると同時に、 交換留学という教育プログラムがはらむリスク(=ここではアメリカ留学で銃殺される危険性)を、 プログラム自体が回避できなかった結果とも考えられるからです。 そしてこのことは、銃によって命を落としてはいないけれど、 性的被害やネグレクト虐待、高校生の交換留学では本来あるはずのない金銭問題から生じる様々なトラブル等によって、 自死寸前まで追い詰められている子供がいることと、無関係ではないと思われます。

(注1)ドイツ人留学生射殺事件

・地元メディアの報道:地元紙Missoulian

・事件の記事:シュピーゲル・インターナショナル

・事件の詳細:宣誓供述書(affidavit)

(注2)日本人留学生射殺事件について

・ドキュメンタリー

・AFSの記事:服部君事件から20年

・地元のテレビCM「Baton Rouge Gun & Knife Show」1994年

2014/01/31

ニュース「NYで男子高校生が無事保護された」から その②

 語学研修ツアー中にNYで行方不明になった高校生が無事保護されたことは、 最新情報2013年8月31日のところで、すでにお伝えしています(*) ところがその後、当時のメディアが事実と異なった内容の報道をしていたことがわかりました。 高校生が行方不明になった経緯について、プログラムを実施したアイエスエイ社の現地スタッフが誤った報告をしていたことが判明したのです。 ようやく先月の12月25日、アイエスエイ社が被害生徒(行方不明生徒を含む6名)に対し、 書面による謝罪と10万~5万円の解決金を支払うことで示談が成立しています。

 じつはこの事故、テレビのニュースを聞いていて、なぜはぐれてしまったのか?他の生徒は気づかなかったのか?携帯電話は?と思った人もいたはずです。 案の定、男子生徒がはぐれてしまったのは、スタッフが集合時刻に遅刻し点呼を怠るという、 引率した添乗員及び現地スタッフのミス(集合場所で待ちくたびれ寝ていた彼を残したまま出発した)からでした。 新聞やテレビニュースでは、彼は地下鉄の乗り換え時にはぐれてしまったと報道されましたが、 そもそも彼は地下鉄になど乗っていないのです。 地下鉄の駅に向かう途中で彼がいないことに気づいた生徒も、現地スタッフに告げているのに無視されています。 そのうえ、アイエスエイ社から携帯電話の所持も禁止されており、 不測の事態が生じた場合の緊急連絡先も宿泊先も生徒はわからないままだったのです。 つまりメディアが、肝心の生徒からの聞き取りを十分にすることなく、現地スタッフの偽りの話をそのまま流したことで、 あたかも彼にも落ち度があるかのような印象を与える報道内容になってしまったのです。 彼も他の生徒にも一切非がなかったことが判明した以上、誤った報道をしてしまったメディアの責任も大きいと思います。

 これらのことから、アイエスエイ社側のミスにより命の危険にさらされていた彼の当時の状況、誤報道によって尊厳が侵害されたこと、 彼以外の生徒も深く心を痛めたことを考えると、和解金額の是非はさておき、学校側が責任の所在をはっきりさせたことは、評価に値することだと思います。 学校と生徒の保護者は、帰国した生徒たちから話を聞いてはじめて事の真相がわかったのだと思います。 事実を知るためとはいえ、多くの時間と労力を費やすことは本当に面倒なものですが、 そういえば宮崎駿氏も「大事なことって、たいていは面倒くさいものだ」と口癖のように言ってましたよね。 それにしても、高校生の交換留学被害と同様、大人が自分たちのミスを子供に押し付けてまでトラブルを隠蔽することが一番の問題なのです。

(*)[トピックス]2013/08/31をご覧下さい

2013/10/06

いつのまにか無くなっていた「高留連」と「ガイドライン」

 私も知らないうちに、「高留連(全国高校生留学・交流団体連絡協議会)」が、今年の6月4日に解散していました。 2006年度の10団体から2011年には4団体にまで減少していたのですが、まさか無くなるとは思っていませんでした。 このサイトでも、「高留連」のチェック機能が実質的には働いていないということを指摘してきましたが、 この度の「高留連」の解散は、重大な意味を持つことになります。 つまり、留学団体に対するチェック機能が、制度的にも消失してしまったということです。 「海外留学プログラムガイドライン」が無くなれば、留学中に生じた問題が被害やトラブルに相当するか否かの基準がなくなります。 そうなれば、被害者自身が、被害を被害として認識できなくなるだけでなく、文科省や消費者庁に被害を訴えることも難しくなってしまいます。 裁判を起こさない限りは泣き寝入りしかなく、被害の実態がますます覆い隠されてしまいます。 また、公的なガイドラインが無くなることで、留学団体に対する文科省からの監視の目が届きにくくなります。 今までよりも自由奔放にプログラムを運営できるわけです。 生死にかかわるような大事故や事件(注1)で無い限りは、団体独自のマニュアルを振りかざして、被害やトラブルを押さえ込むことになるのでしょう。

 そこで文科省に、その解散理由と「海外留学プログラムガイドライン」に代わるガイドラインの有無を聞いてみました。 担当者の話では、「『高留連』の元幹事長、元副幹事長からは、お金だけ取ってオリエンテーションをしない、 酷いホストファミリーに派遣しておいて強制的に帰国させる等、会員団体にトラブルが多かったので解散になったと聞いている。 今現在、ガイドラインといえるものは無い。 文科省として新たに策定する予定もないので、被害やトラブルは留学団体に言うしかない。」ということでした。 これには驚きました。そもそも「高留連」は、トラブルや被害の増加から高校生を守るために「海外留学プログラムガイドライン」の必要性が生じ、 そのガイドラインに沿って留学プログラムが運営されるようにと、設立された(1992年6月)からです。 トラブルが多かったから解散したとは、なんとも呆れた話です。

 ところで文科省への報告のなかで、オリエンテーションをしない団体があったことが解散理由のひとつとして言われているようですが、 「私たちはオリエンテーションしているので大丈夫ですよ!」とアピールしている団体の存在が気になります。 「高留連」は複数の留学団体の集まりでしたが、その幹事長、副幹事長を務めていたのは、会員団体の中で最も多くの派遣人数を抱える、YFUとAFSの関係者でした(注2) この二つの団体は、オリエンテーションを行なってはいますが、これまで多くのトラブルを抱えています。 オリエンテーションの話を持ち出すことで、自らの団体のトラブルには言及せず、解散の主な理由を他の団体に転嫁するようなやり方は、 留学制度そのものから生じた問題(責任)を、子どもに押し付けることと似ています。 その意味でも今回の「高留連」の解散は、留学団体に自浄作用がないことを象徴する出来事といえるかも知れません。

(注1)1992年10月17日、交換留学生の服部剛丈君(当時16歳)が射殺される事件がありました。詳細については、管理人プロフィールのページから「YOSHIの会」へ。 (注2)YFUと AFS両団体のトップ2人(推進側)が、「高留連」の幹事長、副幹事長(規制側)を兼任していました。

2013/08/31

ニュース「NYで男子高校生が無事保護された」から その①

 先月26日、NYで日本人の男子高校生が行方不明になるというニュースがありました(※1)。 犯罪に巻き込まれた可能性もあったので、2日後に無事保護されたと知り胸をなでおろしたのは私だけではなかったと思います。 ネット上でも話題になり「高校生にもなって迷子になるなんて情けない!」「助けを求めるなり連絡する方法があっただろう!」等のコメントが数多く寄せられていました。 これらの批判的な書き込みがわからなくもありません。

ただ、学生があのような行動を取った理由を、彼の目線で考え想像してみようとする態度が必要ではないでしょうか。 報道されている事だけではわからない事情も、あったのかもしれないのです。 上のようなコメントをする人たちが、たとえ生徒を引率したところで、恐らく何も変わらなかったでしょう。 むしろ、このような想像力の欠如こそが、今回のような問題を生じさせていると思います。

この度の出来事は、生徒の未熟さだけに目を向けてしまうと、事の本質が見えなくなる恐れがあります。 学校長は取材に対して、「現地で生徒を引率していたのは旅行業者の添乗員ら4人。業者からは地下鉄が込んでおり、乗り換えが複雑だったうえ、運行停止もあったため点呼が取りづらかった」と説明されたと言い、「保護者には不安にさせて申し訳なかった。業者には詳しい説明を求めたい」と答えています。(※2) このことから、今回の研修に教師は同行しておらず、業者に任せきりだったことがわかります。 危機管理のあり方を考えると、たとえ海外語学研修であっても、学校が関わる限りは業者(日本の旅行会社、現地スタッフを含めた海外の旅行会社)に丸投げでは絶対にいけません。 今回のように大人では考えにくい行動でさえも、彼が高校一年生(体は大人並みでも今年の春まで中学生だった)であったことを考えると、日常的に多くの子供と接し、彼のことをよく知っている教師であれば、もしかしたら予想できたことかもしれません。 人生経験がまだ少ない中高校生が、環境の変化などから思いがけない事態に直面すると、混乱状態に陥り、判断を誤ったり、活動のレベルが極端に低下したり、大人にとってはたいしたことのない失敗でも深く傷ついてしまう場合があります。 この傾向は交換留学被害ではより顕著で、ホスト先での劣悪な環境(不衛生な状態、ネグレクト虐待、猥褻行為など)さえも、受け入れてしまう子供たちがいます。 どこの国でも、おかしいことは「おかしい」はずのものが、日本を離れた途端に判断できなくなるのです。(留学斡旋団体にとっては好都合です) 観光庁のHPには、「海外修学旅行マニュアル」が掲載されています。

この中に想定内トラブルとして、「地下鉄を乗り間違えて迷ってしまうなど、グループ行動でトラブルが生じる可能性はあります。携帯電話を持たせる措置はしていても、生徒がその存在に気づかないほどパニック状態に陥って連絡がつかなかったという事例もあります」と書かれています(※3)。 そもそもラッシュアワーに地下鉄で集団移動させること自体が非常識だし、子供がはぐれてしまった時の対処法を幾重にも確保できないような大人が、生徒を引率している事が問題なのです。 日本で海外研修やら留学プログラムを声高に推進している人たち(文科省や教育委員会、AFSやYFUなどの留学斡旋団体)の危機管理に対する意識レベルも、案外この程度のものなのかもしれません。 そのうえ送り出す側の教師も親も海外事情に疎いとなれば、さらにリスクが高まります。(学校の先生が同行したところで不安が払拭されるわけではありませんが) ちなみに今回のツアーを企画したのは(株)アイエスエイ(東京都港区)で、安全シールをペタペタ貼る「留学サービス審査機構」から認証マークをもらっています。

 私が危惧しているのは、自分の経験、立場からしか物事を考えられない大人が多いことです。 もちろん人は経験から学ぶこともいっぱいあるわけで、今回の事件から海外研修での子供の安全管理の必要性に気づいた先ほどの校長先生もそのおひとりです。 しかし、想像力の欠如は時として命に関わるようなことにもなりかねません。 大人は子供に対して、面倒くさいからと自らの想像力に蓋をすることだけは絶対に避けたいものです。

(※1) ANN NEWS「NYで不明の高校生保護」2013年7月26日 (※2) 産経新聞 2013年07月28日現在すでに削除されていますので、下記の埼玉新聞記事を参考にしてください 米国ニューヨークでツアーに参加していた私立城北埼玉高校(川越市古市場)1年生男子生徒(15)の行方が分からなくなっていた件で、 同校は27日、男子生徒が無事保護されたとの知らせが、生徒の父親から27日未明に同校に入ったと明らかにした。 生徒は元気で、行方が分からなくなった現地時間24日夕方から約1日半ぶりとなる26日午前、 ニューヨーク中心部のタイムズスクエアに1人でいるところを、報道で知っていた米国在住の日本人が声を掛けて発見したという。 現地の総領事館から東京都東村山市の生徒の自宅に連絡があり、父親が学校に知らせた。 同校によると、生徒は地下鉄で仲間とはぐれ、1人で行動していたらしい。メトロポリタン美術館から宿泊先に戻る際に使った地下鉄は、 車両故障によって本来なかった乗換えが生じ、ラッシュ時とも重なって混雑していた。 タイムズスクエアは、26日にもともとツアーの研修で訪れる予定だった場所で、生徒はそこに行けば仲間に合流できると考えて訪れたという。 知らせを受けた同校の染井良之教頭は「ほっとしている。本当に無事で何より。あとは本人が元気で戻ってきてくれれば」と、 声に安ど感がにじんだ。生徒本人の動揺も予想されるため、メンタル面のケアも考慮しながら、温かく迎える準備を始めている。 <埼玉新聞 7月27日(土)13時43分配信 > (※3) 国土交通省外局観光庁「海外修学旅行マニュアル」20頁

2012/03/12

男子留学生の性的被害に関するテレビニュースより(動画)

2011年2月にアメリカの地元テレビで報じられた、男子留学生の性的被害に関するニュースです。

http://www.woodtv.com/dpp/news/local/muskegon_county/Foreign-exchange-host-faces-sex-charges 動画「WOODTV」より

留学団体アユサ(AYUSA)で米国ミシガン州にホームステイしていた留学生(15歳)が、ホストファザー(75歳)から性的虐待を受けていたと報じられました。

2010年8月から留学していた韓国の男子学生で、裸で部屋を歩かされる、シャワーを浴びているところを見られる、陰部を触られる、 お尻を棒でたたかれるなどの性的被害をスクールカウンセラーに報告し、ホストファザーによる虐待が明らかになりました。 また家の中からは、ミンク容疑者によって撮られた16歳ドイツ人留学生の裸体写真も見つかったようです。 彼は留学生を20年近く受け入れており、その他の留学生への性的虐待がなかったかどうかについても調査中とのことでした。 しかし、その後の記事は現在まで見つかっていません。 性的虐待者は常習性があるのが特徴だとすると、じっさいにはもっと被害者がいるはずなのに。

ところで、当サイトで紹介している米国の交換留学被害コミュニティサイト「CFES」においても、 留学団体アユサ選定のホスト先で2010年2月~5月に報告されているだけでも、4件もの性的被害があります。 このアユサ米国本部は米国務省認定の教育団体で、2010年にヒラリークリントンが留学生をホワイトハウスに招いてスピーチをしていますが、 これって単なる偶然?と言いたくなるほどの、まさかのタイミングです。 またこの時期は国務省が、交換留学生被害が社会問題化するなかで、ホストファミリーに対する規制案を提案した年でもあったのです。

2011/12/31

安全シールをペタペタ貼る「留学サービス審査機構」とは

 海外留学を巡る契約トラブルを防ぐため、一般社団法人「留学サービス審査機構」(※1)が先月末に発足し、NHKニュース「おはよう日本」でも取り上げられました。 消費者庁などの国の機関が一般社団法人「海外留学協議会(JAOS)」に働きかけ、留学・語学研修等協議会(CIEL)やNPO法人留学協会も加わった第三者認証機関としてスタートしました。 さて、各業者の約款や財務状況に踏み込んだ認証制度であると謳っていますが、そのガイドラインは法的拘束力を持たないようです。 観察してお墨付きを与えるだけで、責任を負ったり被害にあった人を助けてくれる訳ではありません。 たとえ定められたガイドラインに則した約款であったとしても、契約の段階で、あるいは留学先で、それらが守られることは難しいでしょう。

 それでは、ホームページを見てみましょう。 JAOSが紹介している留学斡旋団体のJAOS会員一覧には、「このペ-ジは会員からの原稿をそのまま掲載しております。JAOSでは掲載内容・ホ-ムペ-ジの内容につきましては関与しておりませんので、お問い合わせは直接各会員の団体あてにいただきますようお願いします」と書かれています。 この、各斡旋団体の掲載内容・ホ-ムペ-ジの内容には関与しないということは、責任を負わないということであり、巧妙に抜け道が設けられています。

 そもそも留学トラブルが多発している原因は、公的な認可や資格は必要なく、安易に誰でもが留学斡旋できるところにあります。 じっさいにはJAOSのホームページでも、トラブルの多い斡旋団体がいくつも会員登録されています。 「留学サービス審査機構」の発足により、内実は何も変わっていないのに、認証マークがつくことで消費者はますます業者を信頼してしまう恐れがあります。 その結果、被害がこれまで以上に増えるのではないかと心配です。

(※1)現在では複数の団体と協働するJ-cross(一般社団法人 留学サービス審査機構)になっています (※2)すでに削除されています

2011/05/10

チェック機能が働かないのは原発問題と同じだが

 国策として青少年の留学を推進している文科省にチェック機能を期待することはできません。 ましてや留学団体関係者のみで組織されている「高留連」「JAOS(一般社団法人海外留学協議会)」等のガイドラインなんて、その背景にある関係省庁や関連団体連携システム下では、あってないようなものなのです。(*「高留連」は2013年6月4日に解散)

 今回の原発事故でも、原子力政策を推進する政官財学(メディアも)の腐敗した癒着構造が白日の下にさらされましたが、反原発の気運が高まる一方で、福島事故を新たな商機にと世界の原発ビジネスが動き出しているのも事実です。 事故処理を巡ってのドタバタ、国益や国防といった大義名分のためには子供とて容赦しないという政府の態度からも、原発はエネルギー問題だけではなく、想像以上に根が深く簡単に流れが変わるものではないことがわかります。 「原発は安全だ」というこれまでの教育、更には事故後の子供たちへの対応はどうだったでしょうか? なんと、国も県も福島の子供の年間被曝許容量を、これまでの基準から大幅に引き上げました。 しかも子供に20ミリシーベルトもの高被曝を容認する機関は世界のどこにもなく、国内外からも批判の声が相次いでいます。 これら一連の流れは、個人の力ではどうにもならないことだけに心が痛みます。 くらべて、留学の場合は取捨選択できます。 避ける、あるいは止めることも、例えトラブルに巻き込まれても、私達が問題意識を持つことで被害を最小限に押さえられるのです。

(TBSラジオ国会担当記者:武田一顕)URLはすでに削除されていますので下記の文字起こしを参考にしてください

 武田記者は、「じつは基準を20mSvに高くしてくれと言っているのは地元。基準を低くすると(すでに福島県民は)放射能汚染していることになるが、基準を高くすれば政府が安全と言ってるんだから大丈夫だ、と地元民に説明ができるからだ」と政府関係者に聞いたと言っています。 この件に関しては、孫正義氏が福島県知事にケンカ腰で机を叩いて住民の避難を訴えたが聞き入れられなかったと、NEWSポストセブンが報じていることからも、おそらくは政府側と地方自治体とで仲良く話しをつけたのだと思います。 県民へのこれまでのパフォーマンスの数々を考えると、この知事さんもなかなかの曲者ですよ。

2010/07/04

このたびの米国務省からの規制に米国YFUが反発している

 既存の高校生交換留学プログラムに対し、2010年5月16日、米国務省は新たな規制を提案しました。 この規制案について、米YFU(代表者マイク・フィネル氏)は、ホストファミリーがボランティアであるYFU及び同様の留学事業団体に多大な影響があるとして反発しています。 フィネル氏は、米YFUは常に留学生の安全と保護を保証しているとして、指紋や犯罪履歴要チェック等の今回の規制に対し、ボランティア関係者に反対運動を呼びかけています。 ホストファミリー先でのネグレクト、性的虐待等の防止策として今回の規制が提案されたはずなのに、安全配慮に対する認識の甘さが本来の目的を見失わせ守るべき弱者を不幸にするなら、真の子供の自立のみならず、教育事業分野におけるイノベーションをも阻害しかねません。

関連記事(いずれもCSFESより) Central Asiaニュース2010.5.17 フィネル氏のEメール(原文のスペルミス?そのままですが)*URlはすでに削除されています

【規制案概略】 ・一人暮らしの人、学齢児童がいない母子(父子)家庭がホストファミリーになることを禁止する ・ホストファミリー全員と地域ボランテイアの指紋を、生徒が各々の家にプレイスメントされる前に要求する ・ホストファミリー応募条件に、収入源を明らかにすることを求める ・ホストファミリー募集の際、生徒のプロフィール写真の掲載を禁止する ・ボランテイアの人は国務省が指示するトレーニングを毎年受けること ・生徒のプレイスメント先は、エリア担当者が車で一時間以内で移動できる距離とする(現在は半径120マイル≒190km以内)

2009/11/22

アメリカでの交換留学生被害が社会問題化「米メディアCNNニュースより」

 アメリカ政府の斡旋団体に対する管理体制の甘さ等から、高校交換留学生への虐待が社会問題化していると、米メディアCNNが取り上げています。 今回のニュースは、米の非営利団体アスペクト財団(Aspect Foundation)での2つの事件で、国務省の会見、留学生本人、ホスト先、地元エージェンシー、上院議員他への取材内容になっています。

 このなかでアスペクト財団の地域スタッフは留学生ひとり紹介すると400ドルもらえると話していたり、被害者がこの件を国務省に通報してもなかなか取り合ってもらえなかったこと、国務省が当初この件の調査をアスペクト財団自身に命じたことはミスだったと認めている等々、被害が表面化しない理由についても、被害者が高校生であること、中途帰国させられたくないので訴えないことが指摘されています。

 そういえば、2005年に米での交換留学生の虐待対策に乗り出したのは国務省でした。 留学推進に34億円も使いながら、管理体制の甘さから留学被害の噂が世界中に広がることで結局のところ大恥をかいているとでもいうべきでしょうか!

http://edition.cnn.com/video/#/video/crime/2009/07/16/dcl.griffin.abused.students.cnn CNNニュースより*URLはすでに削除されています

2009/11/02

<留学支援金ひとり一律50万円支給>といわれても

 高校生の留学促進予算の大幅拡充が認められたことを受け、「全国高校生留学・交流団体連絡協議会(高留連)」および「一般社団法人JAOS海外留学協議会」が実施する「高校生海外留学派遣支援金制度」に対して、文部科学省より一律50万円の留学支援金(返済なし)が支給されることになりました。 但し、高校生の派遣プログラム(1年間)<平成22年1月~9月出発生対象>に参加する生徒に対して、成績、英語力、保護者の収入等の諸条件が認められた場合に限ります。

 最近では留学生数は減少傾向のようで、一年間の高校交換留学生は、高留連会員団体からは年間700~800名です。 そのうち今回の審査基準である年収等の条件をクリアする人となると300~400名くらいでしょうか?(*「高留連」は2013年6月4日に解散) しかし前政権下で決められたことだけに、今回は予算の見直しからは何とか逃れたものの、次年度募集からはこれまで通りの支援額に戻る可能性もあり、今回限りとなるかもしれません。

 それにしても、これまでの支援金5万円からいっきに50万円とは、どう考えても不自然な感じがします。 いずれにせよ、交換留学制度がスタートして半世紀も過ぎているのに、被害やトラブルのデータさえも取っていない文科省から、支援金だけ大幅アップと言われても素直に喜ぶことはできません。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/21/08/1283159.htm 高校生海外留学派遣支援金制度*URLはすでに削除されています

2009/07/07

知らされていない留学団体役員の高額報酬のこと

 高校生の交換留学団体の不透明なお金の流れについてはすでに言及していますが、長く支援活動に関わっていても、自分たちが所属している団体の役員報酬の存在さえ知らない人が多いのです。 無償で団体の支援活動をされている帰国生やその保護者には、なぜかこの事実が知らされていないようです。 さて、以下の報酬額がボランティア団体として妥当な額かどうかを二つの老舗留学団体で見てみましょう。

≪http://www.yfu.or.jp/about_yfu/about_yfu04a.htmlの場合≫ 公開されてる常勤役員報酬額(07年施行)は、月額報酬110万円、例えば在任期間15年の退職金3千3百万円

≪http://www.afs.or.jp/about-afs/afs_organization/の場合≫ HPのトップおよび次ページには、役員はすべて無報酬のボランティアであることが強調されています。 ところが【寄付行為】のPDFを開くと、22条には常勤役員報酬があると書かれています。 上記「役員リスト」の誰が常勤役員で、どこまでが報酬をもらっているのかわからないし、報酬額も載っていません。

注:2011年4月より変更されており、【寄付行為】のPDFは見ることができません。 【役員】のところに、常勤理事である事務局長以外のすべての役員は無報酬のボランティアで構成される、と書かれています。 【定款】のPDFを開くと、p.7に常勤役員報酬があるとのこと。但し報酬額はわかりません。 「公益財団法人AFS日本協会定款」第28条:理事及び監事は、無報酬とする。ただし、常勤の理事及び監事に対しては、評議員会において別に定める総額の範囲内で、評議員会において別に定める報酬等の支給の基準に従って算定した額を報酬等として支給することができる。

 両団体とも、今はやりの天下り官僚をはじめ、大学教授、企業のトップもいて、そうそうたる顔ぶれですが、社会的地位と倫理基準との間に相関関係はないようです。 文科省からの交付金、企業寄付、留学生数の確保等々、組織を維持するに被害やトラブルを表面化させないようにしてきたのでしょう。

2009/07/01

米のコミュニティサイト「CSFES」で知ることのできる交換留学被害情報

 米のCSFESのようなサイトが、残念ながら日本ではありません。 ここに紹介されているのは氷山の一角だと思いますが、「Headlines of Abuse」を見ると、2002年~現在までの被害例が書かれています。 このような被害情報が、アメリカのサイトでしか知ることが出来ないという、何とも情けない話ですが、文科省が支援する「高留連」(※2013年6月4日に解散)でもおなじみの団体名が載っています。

「Communites for Safety of Foreign Exchange students」

2009/05/13

ロータリーは07年に危機管理委員会(外部有識者を含む)を設立

 ロータリーでは危機管理委員会設立までのプロセス、予防策と解決方法に至るまでが情報公開されています。 被害のなかでも特に痛ましい性的虐待とハラスメントにスポットが当てられていますが、ロータリーの活動から生ずる全ての危機に対しての方針が2007年に既に成立しています。 以下に、概略とロータリー関連のURL(危機管理委員会設置までのプロセスは会議議事録に、指針及び誓約書等については書類A,B)を載せました。

【概略】 各国が虐待とハラスメントに対する方針を提出して認定されない限り、2006年7月からロータリーの青少年交換をやってはならないという通達がロータリー本部からありました。 そこで、日本の事情にあったマニュアル、すなわち日本様式案とでもいうべき次のような指針を早急に本部に提出することで、交換留学が中止に追い込まれる事態を回避しました。 ①個人の犯罪歴調査に変わるものとして、ホストに対して保証人制度を導入し誓約書を作成する。②ロータリーの活動から生ずる全ての危機に対処できるように、外部有識者2名以上を含む会員で構成された危機管理委員会を設置する。③これまでもあった怪我や病気をカバーする保険とは別に、あらゆる危機に対して未然に防げなかった責任があるという、過失に対する責任保証とでもいうべき損害賠償責任保険に入るために日本ロータリーを法人化する。④年齢制限(成人に達しているか否か)は設けず、青少年交換に関わるすべての児童および青少年に今回の指針を適応する⑤何か起こった場合には、事態の責任は学生にはないこととして「なぜ」の質問は避け、学生からの虐待やハラスメントの申し立てを信じることからスタートする。

 ロータリー関係者によると、危機管理委員会設立後の現在においても会員それぞれにかなりの温度差があるのも事実だそうです。 特に性的虐待およびハラスメントの場合、今回のように組織としてこれ以上やれないところまでやったとしても、完全に予防できるものではないので、学生に対する情報提供はもちろんのこと、その保護者やロータリアンの危機管理に対する意識改革が今後も必要とのことでした。

【関連URL】 ◆06-07年度会議議事録'青少年交換青少年ボランティア誓約書' ◆書類B'性的虐待およびハラスメントの申し立て' ◆書類A'ロータリー青少年ボランティア誓約書'

注:上記URLは既に削除されていますので、下記資料にてご確認ください。 ロータリー青少年交換プログラム基礎資料2015-16年度RIJYEC版

2009/05/12

「日本YFU」「YFU日本協会」「YFU国際交流日本財団」から見えてくるもの

 留学生活が意義あるものになるかどうかは、もちろん留学生自身の努力や忍耐力に拠るところが大きいと思います。 しかし留学団体側の運営が、本来の留学理念から離れてしまっているとしたらどうでしょうか? これまでのように、そしてこれからも、運悪く犠牲になる子供たちの上に高校交換留学制度が成り立っていくとしたら、そこに大人としての誇り(プライド)はないように思えます。 ましてや今のままでは将来に向けての希望も見出すことができません。 留学事業に関わる大人たちが覚悟を持ってこの問題に取り組み、抜本的な改善がなされない限り、明るい将来は見えてこないのです。  それでは、ある大手留学団体はどのようにして設立され活動するに至ったのでしょうか。 今回の掲載について心よく承諾いただいた方からの補足説明及びコメントも合わせて以下に紹介します。 (お断り:以下の紹介記事は批判対象にあたらない、提供者の意志を尊重する意味においても留学団体名はそのままにしました)

<日本YFU20周年記念文集(昭和54年)「日本YFU解散に際して」日本YFU会長・篠原亀之輔より抜粋> 日本YFUが、どのようにして設立されたか、そして如何に活動したかは今でも折にふれ御伝えしたので読者はご存知のことと思います。然し、ほかの都合で聞き漏らした方もないとも云えないので、先ずその概略を申し上げます。 この“きっかけ”は1957年の夏、東京で“世界原子爆弾禁止”と銘打った大会が催された折、己存の米国YFUの理事であったキリスト教徒のDelamater氏が、この大会に出席すべく来日し、私の家に滞在することになった。そして、夕食後の雑談の中の“世界平和の実現の第一段階は今後の世界を担う各国が毎年男女を交換し、1ヵ年頃迄当国の家庭の一員となり、且その地域の高校の生徒となって同輩らで友情を交換することである”との米国YFU創立者Ebery牧師の先見に私達は深い感銘をうけたことです。かくして1958年夏私達の長女、優理子が最初の交換学生となり、然しこれは私的な交換と云うべきものでした。1963年の桜花爛漫の春、Mr.Delamaterは夫人と共に再び来日し、吾が国も日本YFUを創立することを勧められ、この時までに私的に子女を米国YFUに送った父母が集まって初めて日本YFUの組織を創立したのです。出席者は次の方々でした。デラマーター、市浦、中山、高木、高野、丹沢、篠原、その他デラマーター氏の知人2.3名。ここで御承知おき頂きたいことは、米国家庭及び学校が全くの無報酬で吾々の派遣学生の面倒をみて下さる好意に答える如く、全ての活動を全くの無給で快く運営して下さったことです。この無給奉仕の精神は日本YFU解散の日に至るまで貫かれたことは感謝の至りでもあり、且世間に誇り得るものと私は信じております。勿論、日本YFUが時と共に発展するに伴って事務所の設定、常時勤務員の雇用、日本からの交換学生の渡米、帰国の監視員の旅費までも含む個人奉仕は期待できないので、これ等に要する実費だけは日本YFU負担とし、来日交換学生の滞在の生活費は受入家庭の負担とした。また、米国YFUの幹部の方との来訪時に催した歓迎等は、多くの場合、会員の無料奉仕により行いました。かかる際に心からなる奉仕をして下さった多くの会員及び帰国学生に対して厚く御礼申し上げます。あまつさえ、1968年頃米国YFUが、一方経営難に陥り、他方交換学生の数の増大に伴う事務所の拡大に迫られていることをしり、進んで金百万円の御寄付を自発的になさって下さった多数の会員の友情の送りは、私の生涯忘れ得ない美挙でありました。然し、残念にも、これに対して米国YFUからは何等の通知にも接しなかった。恐らく当時の米国YFUがその復旧に忙しかった故と思います。

[補足説明及びコメント] 私たちがお世話になった「日本YFU」が解散する前後に、「YFU日本協会」が立ち上がり、日本に於けるYFU活動は継続され、現在は「YFU国際交流日本財団」に引き継がれている。 篠原氏が、当時、米国YFUから受けた「仕打ち」は、察するに余りある。無報酬で活動をされていた氏らが、YFU活動を継続する理由は、どこにもなかったと思う。 あくまでも、米国と日本のYFU組織は対等であるという活動の創始の思想から考えれば当たり前であったと思う。 当時の日本YFUの活動が全て肯定されるものかどうかは、また別の問題であり、検証も必要かと思う(概ね、問題がなかったと思う)が、それは現在の財団の置かれている状況とは別の次元かと考える。 しかし、“世界平和の実現の第一段階は今後の世界を担う各国が毎年男女を交換し、1カ年頃迄当国の家庭の一員となり、且その地域の高校の生徒となって同輩らで友情を交換することである”という思想は尊重すべき点。 まさしく、Youth For Understandingそのものである。このことがYFUなのだ。ここから逸脱した活動は、決してYFUの活動ではない。 是非、現在の活動を支えておられる方々には、この点を自覚をもって、これからの留学生を送り出してもらいたいと切に願う次第である。 我々が留学する前に受けたオリエンなどでは、いかにトラブルがあったかを聞かされた。いろいろな場面のトラブルだった。 実際、そんなにトラブルがあるなら、なぜ、留学しなければならないのか?と悩んだ時期もあった。 だから、離日の時の空港での風景やジェット機内の風景が忘れられない。非常に複雑な気持ちだった。明らかに「死」を覚悟した時間だった。 現地では生活することに必死だったが、まかり間違えれば死んでいたかも?と思う場面には数回遭遇している。 後になって、確かにトラブルというのは、どこでも起こりうることだと痛感したものだ。 さて、色々とある留学組織は、今こそ、これから留学しようとする学生に対し過去のトラブルを説明すべきである。 世界中で、混沌としだ時代を迎えており、トラブルの質も大きく変わってきている。また、悲惨さも増加している。 だからこそ、肌の色の違う若い若人の笑顔の写真などを載せることも必要かもしれない。が、本当に必要なのは、留学することの意義と覚悟を持たせることである。 決して、留学はパラダイスなどではない。今までの自分の人生を賭けて、まったく異なる生活環境で生活することの意義を理解させなければならない。 その一方で、トラブルに遭う可能性に対しての覚悟を促す必要を感じる。「ちょっと、そこまで」留学を避けさせなければならないと思う。 受け入れ先の整備・準備不足は致命的な欠陥になる可能性は大。日本の送り出し側の不断の要求が必要になります。 この問題の微妙なところは、たとえ受け入れ先の整備がしっかりしていても、それでもトラブルは発生する可能性があるということです。なぜならば、日本にいてもトラブルは発生するわけですから。 ただ、留学組織は、それを良いことにしないことです。それが隠れ蓑的にならないように努力を払わなければなりません。

2008/11/21

再度、大阪府教育委員会「校長会」で情報提供される

 16日に大阪府教育委員会の高等学校「校長会議」で、9月に続き再度情報提供されました。 前回は口頭のため情報が徹底しなかったので、配布資料も添えての情報提供となり、米国務省の記事、ロータリー議事録等も回覧してもらいました。

2008/12/12

ロータリー財団は05年に性的虐待の情報公開をしていた

 以下は、2005年7月10日に東京プリンスホテルに於いて行われた、ロータリー第1回全国青少年交換委員長会議議事録(テープ起こし)からの一部抜粋です。
【・・・今、RIでは、青少年交換の根幹を揺るがすような大きなことが起こっています。日本の青少年交換委員会、あるいは全日本がひとつにまとまって対処しなければ、青少年交換はできないというような所まで来ています。(中略)それから、セクシャルハラスメントの問題に入ります。シカゴ会議の2日目のテーマ、アビュースアンドハラスメントということですが、このタイトルが初めて取り上げられたのは、2000年5月、アルゼンチンのブエノスアイレスの大会です。以来、毎回取り上げられ討論されたものの、具体的にどうするかという方向性を見いだすことはできませんでした。昨年の大阪大会のワークショップで、この問題が取り上げられて、当時のRI青少年交換委員長のジョンウィークフィールド(オーストラリアのパストガバナー)、プレスグード(RIBI、イギリスのロータリアン)、それからフリーダブリックスという南オーストラリアの大学の名誉教授のスピーチがあり、その段階で発表されたのが、2003年8月に、オーストラリアの元青少年交換学生の2人が、ABC放送という全国版のラジオのインタビューを受けて、身に起きた性的虐待のことを証言したということで、この問題が沸騰したのです。数人の発表がありまして、加害者というのは、ロータリアンのホストファザー、もうひとりはクラブの会長から辱めを受けたということです。またクリスという、彼はイギリスの27年間警察官を務めたロータリアンですが、彼が入手しているRIの報告によると、現在この問題で刑期を努めているロータリアンもいると。そのうちの一人は地区ガバナーであるということです。フリーダブリックス教授は、自分が1950年にベルギーに交換学生として派遣され、自分の受けた辱めの体験談を話され、その後自分のキャリアとして児童保護の分野に進まれて相談事の内容を細かく発表されたということです。3人の共通点は、信用そのものが虐待、信頼が悪用されている。責任あるロータリアンがその地位を利用し、交換学生をアビュースアンドハラスメントしている。この問題の95%がホストファミリーの中で起きているということです。法執行機関に通報されている例は1%にも満たない、ほとんどが泣き寝入り、自分の胸に彼ら彼女らはしまい込んでいる。また丸め込まれてしまっているということです・・・】

 この議事録の内容にはショックを受けましたが、ラジオ放送ですっぱ抜かれたとはいえ、隠蔽しなかったロータリー財団の体質、ロータリアンといわれる人々がいることを知りました。 数え切れないほどある留学団体の中にあって唯一、「無犯罪証明」を取るロータリーですら、このようなことが起こっているわけです。 ということは他の団体でも同じか、あるいはそれ以上の状況であるはずなのに、ロータリー以外の留学団体は「高留連」(2013年6月4日に解散)も含め、情報公開されていないということです。 おそらくは、マイナスイメージを避けるため意図的に触れられていないのだと思われます。

2008/11/29

米国務省は高校交換留学生の性的虐待対策に着手していた

 各国から訪れた高校交換留学生が、ホストファミリー先で性的虐待を受けるケースが近年目立ち、2005年から米国務省が対策に乗り出しています。 必ずしも完全に性犯罪を食い止めるのは容易ではないが、交流団体が性的虐待の報告を怠るような事例が起きた場合、その交換留学プログラムが停止になることもあると警告しています。 しかし、ロータリー以外、日本の外務省も文科省も留学団体も、もちろん「高留連」(2013年6月4日に解散)もこのような重大な情報発信をしていません。

http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=200509181541050 2005.9.18「日刊ベリタ」国際ニュースより*URLは削除されています

2008/11/17

AFS交換留学生(米の男子高校生)の被害記事

 アメリカで今年の2月29日に、「ホストファミリーがドけちで留学生が26kg痩せて餓死寸前に」という見出しで被害記事(*下記参照)が掲載されていました。 【文化や風習の違いがあったとしても、現実としてここまで痩せこけてるのを放って置いた時点で、ホストファミリー側は言い訳できないように思います】(記事より)とのコメントも当然ですが、ご両親は現地の教師からのメールでジョナサン君の状況を知ったようです。 【現在両親はジョナサンの心身の長期にわたっての影響を心配しており、起訴も考えているようです】(記事より) AFS側では訴訟を起こされる可能性もあることから現在コメントを控えているようですが、現地サポートが機能していなかったことは充分考えられます。 【学校の友だちや先生からホストファミリーの変更をするように促がされましたが、変更後のホストファミリーはさらに危険な地域の家族になると聞かされたため、決心出来なかったようです】(記事より) まともなホストの確保が難しいと知った子供が、留学生活を続けるためには我慢するしかなかった、という現地の実態がさらけ出された事件だったといえます。

*「らばQニュース」より引用

2008/10/14

野田大臣との対話がHPに掲載中

 先月6日、神戸で開催された「野田大臣と語る希望と安心の国づくり」の様子が内閣府のHPに掲載されています。 高校交換留学被害については議事録p19~21p24~25に書かれています。

http://www8.cao.go.jp/taiwa/200906giji.pdf*URLはすでに削除されています

2008/09/16

大阪府教育委員会「校長会」で情報提供される

 高校交換留学被害の状況を、学校の先生方にも情報提供して頂きたいということで府教委に働きかけてきましたが、取り扱い機関がないということで交渉が難航していました。 そんな中、高等学校生徒指導グループ課でお手伝いしてもらえることになりました。 9月16日に「口頭にて簡単な内容で私の上司が校長会で情報提供しました」という連絡が担当者から入りました。

2008/09/06

野田聖子大臣と話しました

 9月6日、野田聖子大臣と話す機会に恵まれました。 今回は、消費者庁(仮称)創設に向けて、これからの消費者行政のあり方をテーマに大臣を交えて皆で話しあうというものでした。 私は、高校交換留学というのは、旅行業のようにサービスを提供するものではなく、教育提供プログラムであることから、被害やトラブルがあった場合、従来の消費者相談センターではカバーしきれない、ということを話しました。 そうすると、大臣自身も高校生のときに交換留学経験があるので他人事とは思えないということ、これまでの消費者行政の問題点としていろいろある中での、まさに”すき間事案への対応”に当たるということで、ご自身でも調べてみるとの答えが返ってきました。 今までいろんな方々と話しましたが、こんなにスパッと気持ちよく返事があったのは初めてで以外でした。

https://nettv.gov-online.go.jp/mobile/prg.php?p=2191&nt=1

2008/07/31

声を上げはじめた子供たちのために

 被害を見聞きした人々からの情報提供ばかりだったのが、近頃では本人からの投稿やメッセージが入りはじめました。 つい最近も、MIXIコミュ「高校交換留学被害者あつまれ!」の私宛メッセージにWYS団体2006年度生からのトラブル情報が子供自身から入っています。 たとえ匿名であっても文字にするということは難しく、悲惨な被害内容であればあるほど、本人以外からの情報提供だったり等の厳しい状況もあります。 だからこそ、このように声を上げはじめた子供たちがいることに感謝しながら続けていこうと思います。

2008/06/16

「有償ボランティア家庭」は本当にボランティアなの?

 もうすでに、2009年度出発の募集が始まっています。 そのなかから、高留連会員団体PIEEの案内書を見てみましょう。(高留連は2013年6月4日に解散) アメリカ合衆国150名、フランスやドイツ等ヨーロッパの国々は数名~15名、韓国等アジアは数名、オーストラリア16名ニュージーランド5名カナダも仏語圏10名英語圏15名等々となっています。 このことから留学先として人気があっても無償のホストファミリーの確保が難しいはずの、ニュージーランド、オーストラリア、カナダへの募集人員の多いことがわかります。 このイギリスとカナダ(英語圏)の《参加費用に含まれるもの》の内訳には、『滞在、食事はホストファミリーにより提供され派遣国の高等学校における授業料は免除されますが、現地受入団体の判断によって一部受入奨励金を給付することがあります』と書かれています。

 さて、ここに記されている「一部受入奨励金」というのは、「お金が支払われる」ということで、留学団体によっては「補助金」ともいわれるものです。 そして、父兄から説明を求められた場合には、このような補助金が発生するホスト家庭のことを「有償ボランティア家庭」であると答えます。 しかし、ボランテイアなのに有償?何とも奇妙な話です。 ボランテイア(volunteer)とは、自ら進んで社会事業などに無償で参加する人、奉仕者のはずなのですが。

 そこで私たちは、たとえ留学関係者がどのようないい方をしようが、無償であればボランティア、奨励金や補助金が支払われれば有償であり、留学団体がいう「有償ボランティア」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。 先に退会処分となった団体では補助金とは名ばかりで、実際は現地での相場額が支払われており、有償以外の何ものでもありませんでした。 そしてその支払を巡って子供たちがトラブルに巻き込まれました。 未成年者の留学の場合、危機管理を考える上でもホストファミリーの質は最重要視されなければなりません。 無償と有償とでは、ホストの留学生に対する思いも違って当然だと思えるからです。

2008/06/08

「高留連」に自浄作用はあるのか?

 3月11日にWYS退会となったものの、その後「高留連」(2013年6月4日に解散)において、悪質斡旋団体の撤廃、留学制度の基準見直し、トラブルがあったときの対処の具体案、再発防止に向けての充分な話し合いはなされたのでしょうか? 今年の3月に「高留連」会員団体から退会処分となったWYS団体では、2006年度生、カナダのR地域においてわかっているだけでも、20件前後すべてのホスト先が有償家庭、そのうちの5件がダブルステイ、ホスト校も有償でした。 2月に「高留連」副幹事長(AFS団体理事長が兼任)と幹事長(YFU団体理事長が兼任)に、WYS団体での被害を報告し、実名5名、匿名3名あわせて8名分の被害事例、28項目にもわたる団体代表者のウソと問題点を記した書類を、留学中に保護者同士で交わしたメール履歴と共に提出、さらに強硬な態度に徹することで何とか「高留連」からの退会処分が決まりました。 団体が「高留連」のガイドラインから逸脱したプログラムであったことは認められたものの、その後の処遇については明らかにされなかったので、再度「WYS団体がこのまま『高留連』に留まるということは、高留連会員団体全体の信用問題にもかかわってくるのではないか、会員団体からはずしていただきたい」との旨を伝える等、本当に大変だったからです。 それにしても提出資料を揃えるのも大変でしたが、じつのところ、この団体が派遣先を散在させなかったことで留学生同士が情報を共有することができ、彼らの嘘がばれたのです。 このようなかたちで学生とその親同士が情報を共有できたのは奇跡に近いことであって、通常は被害やトラブルの多くはわからないままになっているのでしょう。

 しかし、その後の再発防止策等の話し合いについては、3月17日に「日程調整のための時間を下さい」と返事があったきりで、なぜか今日まで連絡はありません。 ちなみに、WYS団体は2000年の時点でもう既にホストファミリーは有償家庭だったことがわかっています。 ということは「高留連」は以前から機能していない、あるいは黙認していたかのどちらかで、連絡のないことも考えるとますます疑問が残ります。

2008/04/01

高留連会員団体WYSが3月11日に退会処分

 交換留学ガイドラインには無いプログラムを行っていたとして、高留連会員団体WYSが3月11日に退会処分となりました。(高留連は2013年6月4日に解散) この団体、派遣先カナダでの学校やホストファミリーがボランティアではない有償の受け入れ先で、子供たちは現地に入ってはじめて、ホストからボランティアではなくビジネスで受け入れられていることを知りました。 そして、その費用が現地のホストにきちんと支払われなかったことで、複数の子供がトラブルに巻き込まれたり、人数分のホスト先が確保できなかったため、ダブルステイ(WYS生を2人ずつステイさせる)をさせるなどしていました。

 留学生活というのは、それでなくても子供にとって安易なものではなく、取り巻く大人たち、とりわけ斡旋団体を含む留学関係者が支援するのは当然のことなのに、それ以前の交留学プログラムの破綻によって子供達が被害を受けました。 日本とは違い、現地の人々のお金に対する感覚はとてもシビアだと聞いています。 きちんとお金を払っていても、ろくに食べさせてもらえないこともあるというのに、なんとも嘆かわしい話です。 AFSやYFUのような大手の団体でもカナダ枠はほとんどない中で、カナダの募集人員が桁外れに多い団体でした。

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