「有償ボランティア家庭」は本当にボランティア?

 もうすでに、2009年度出発の募集が始まっています。 そのなかから、高留連会員団体PIEEの案内書を見てみましょう。(高留連は2013年6月4日に解散) アメリカ合衆国150名、フランスやドイツ等ヨーロッパの国々は数名~15名、韓国等アジアは数名、オーストラリア16名ニュージーランド5名カナダも仏語圏10名英語圏15名等々となっています。 このことから留学先として人気があっても無償のホストファミリーの確保が難しいはずの、ニュージーランド、オーストラリア、カナダへの募集人員の多いことがわかります。 このイギリスとカナダ(英語圏)の《参加費用に含まれるもの》の内訳には、『滞在、食事はホストファミリーにより提供され派遣国の高等学校における授業料は免除されますが、現地受入団体の判断によって一部受入奨励金を給付することがあります』と書かれています。

 さて、ここに記されている「一部受入奨励金」というのは、「お金が支払われる」ということで、留学団体によっては「補助金」ともいわれるものです。 そして、父兄から説明を求められた場合には、このような補助金が発生するホスト家庭のことを「有償ボランティア家庭」であると答えます。 しかし、ボランテイアなのに有償?何とも奇妙な話です。 ボランテイア(volunteer)とは、自ら進んで社会事業などに無償で参加する人、奉仕者のはずなのですが。

 そこで私たちは、たとえ留学関係者がどのようないい方をしようが、無償であればボランティア、奨励金や補助金が支払われれば有償であり、留学団体がいう「有償ボランティア」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。 先に退会処分となった団体では補助金とは名ばかりで、実際は現地での相場額が支払われており、有償以外の何ものでもありませんでした。 そしてその支払を巡って子供たちがトラブルに巻き込まれました。 未成年者の留学の場合、危機管理を考える上でもホストファミリーの質は最重要視されなければなりません。 無償と有償とでは、ホストの留学生に対する思いも違って当然だと思えるからです。

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