チェック機能が働かないのは原発問題と同じだが

 国策として青少年の留学を推進している文科省にチェック機能を期待することはできません。ましてや留学団体関係者のみで組織されている「高留連」「JAOS(一般社団法人海外留学協議会)」等のガイドラインなんて、その背景にある関係省庁や関連団体連携システム下では、あってないようなものなのです。(*「高留連」は2013年6月4日に解散)

 今回の原発事故でも、原子力政策を推進する政官財学(メディアも)の腐敗した癒着構造が白日の下にさらされましたが、反原発の気運が高まる一方で福島事故を新たな商機にと世界の原発ビジネスが動き出しているのも事実です。事故処理を巡ってのドタバタ、国益や国防といった大義名分のためには子供とて容赦しないという政府の態度からも、原発はエネルギー問題だけではなく想像以上に根が深く簡単に流れが変わるものではないことがわかります。「原発は安全だ」というこれまでの教育、更には事故後の子供たちへの対応はどうだったでしょうか? なんと国も県も福島の子供の年間被曝許容量を、これまでの基準から大幅に引き上げました。しかも子供に20ミリシーベルトもの高被曝を容認する機関は世界のどこにもなく、国内外からも批判の声が相次いでいます。これら一連の流れは個人の力ではどうにもならないことだけに心が痛みます。くらべて留学の場合は取捨選択できます。避ける、あるいは止めることも、例えトラブルに巻き込まれても私達が問題意識を持つことで被害を最小限に押さえられるのです。

(TBSラジオ国会担当記者:武田一顕)URLはすでに削除されていますので下記の文字起こしを参考にしてください。

 武田記者は「じつは基準を20mSvに高くしてくれと言っているのは地元。基準を低くすると(すでに福島県民は)放射能汚染していることになるが、基準を高くすれば政府が安全と言ってるんだから大丈夫だ、と地元民に説明ができるからだ」と政府関係者に聞いたと言っています。この件に関しては孫正義氏が福島県知事にケンカ腰で机を叩いて住民の避難を訴えたが聞き入れられなかったと、NEWSポストセブンが報じていることからも、おそらくは政府側と地方自治体とで仲良く話しをつけたのだと思います。県民へのこれまでのパフォーマンスの数々を考えるとこの知事さんもなかなかの曲者ですよ。

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